犬種による噛み付きの傾向|咬み癖予防の手がかり
犬は人間が仕事をさせるために、その目的にあったように交配して、仕事にあった癖を持つようにしたり、容姿を変えてきました。
同じ犬種でも固体によって、それぞれの性格もありますが、各犬種には似たような傾向があります。
噛み癖の傾向を知って、犬種に合わせた咬みクセの予防や原因をさぐる手がかりとしましょう。
小型犬・愛玩具犬
警戒心が強くお気に入りの場所を守りやすい犬種
コンパニオンドックとして室内で飼われる小型犬。一般に許容範囲が狭く、警戒心が強い傾向があります。
社会化不足の場合は、来客がきたときには不安や恐怖から、激しく吠え立てたり、噛み付いたりすることがあります。
人間との生活空間を共有することになるので、お気に入りの場所は当然できます。その場所を守るために、噛み癖につながる傾向がありますので、予防が必要です。
代表的な犬種
- チワワ
- ヨークシャテリア
- シーズー
- ポメラニアン
- トイプードル
- パピヨン
狩猟犬
協調性はあるが甘咬みが激しい犬種
猟犬として獲物の場所を教える、回収するなどの、犬種ごとに分担して、チームで働いてきたため、協調性が高い犬種です。
しかし、特にレトリーバー系はくわえる動作が得意とする犬を交配したために、甘咬みなど口を使うイタズラが激しい犬種です。
かじるものを与えて、口を使う遊びをさせて、くわえたものを出すしつけをする必要があります。
代表的な犬種
- ラブラドール・レトリーバー
- ポインター
- セッター
- プードル
- ゴールデン・レトリーバー
日本犬
主人には忠実、反面、他人には警戒心が強い
多くは猟犬として作られてきました。欧米とは異なり、飼い主と犬との1対1による狩りだったため、飼い主に対しては忠実ですが、一方、見知らぬ人、他の犬への警戒心が強く、体にも触るのを嫌がる傾向が強いです。
子犬のころから、社会化教育をしっかりとして、人や犬、環境に慣らして、体に触れても受け入れるように、しつける必要があります。
代表的な犬種
- 柴犬
- 秋田犬
- 紀州犬
- 土佐犬
牧畜犬
動くものを追いかける性質
羊や牛などの家畜を誘導して、外敵から守る働きをしていた犬種です。動くものを追いかけるのが上手な犬を交配したため、自転車や走る子供などを追いかける対象をみつけると、興奮して、吠えたり、噛み付いたりする傾向があります。
適度な運動による発散をさせて犬にストレスをためないようにし、追いかけてよいオモチャなどを与えます。どれを追いかけてよいのか、だめなのかをしつける必要があります。
代表的な犬種
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ボーダー・コリー
- シェットランド・シープドッグ
- ジャーマン・シェパード
作業犬
協調性を持ちにくい傾向
救護犬、救助犬などの、人間と作業するために作られた犬種です。多くは1頭で仕事をしてきたため、警戒心や自立心が強く、他の犬との協調性が持ちにくい傾向があります。
体が大きい犬が多いので、コントロールの難しいところもあります。早くから人と一緒に暮らし、触れられることに慣らして、人と一緒にいることが楽しいことだとしつけましょう。
代表的な犬種
- シペリアン・ハスキー
- グレート・ピレニーズ
- セント・バーナード
- ドーベルマン
テリア種
追いかけて口にくわえ興奮しやすい傾向
ねずみやウサギなどの小動物を追いかけて獲得してきた犬種です。運動量も多く、興奮しやすい傾向があります。
動くものに対して、より反応するため、特に子犬のころは人の手や子供に対して甘咬みが激しくなりがちです。お気に入りを守る傾向もある犬種なので、しっかりしつけましょう。
代表的な犬種
- ジャック・ラッセル・テリア
- ケアーン・テリア
- スコティッシュ・テリア
- ノーフォーク・テリア
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