咬みグセの根本治療・犬の行動治療は家族の協力
深刻な噛み癖で悩んでいる飼い主は世の中にはかなりいます。犬の行動治療を考えてましょう。
犬の行動治療とは?
犬の攻撃行動や分離不安、強迫障害などで、犬の問題行動を治療する医療です。
問題行動の原因を「動物行動学」に基づいて分析してもらい、飼い主と犬の1組に応じたアドバイスをしてもらうのです。
「咬みグセ」などの攻撃問題の場合
攻撃問題は「犬が噛む理由は何か」「攻撃の引き金になっているストレスはどこからきているか」を考えることが解決の糸口になります。そのため、飼い主から犬の情報をたくさん聞き出す必要があるのです。
行動治療の一例
- 飼い主が問診票に記入する
- 初回、1時間半から2時間ほどカウンセリング
- 治療のプランの作成、場合によっては薬を併用することもあり
- 病気が疑われる場合、専門医に紹介
問診票に沿ったプランで実際に治療をするのは飼い主自身です。医師は進捗を見守って、問題解決へと導いてくれます。
行動治療と病気治療との違い
病気の治療と大きく違うのは、治療するのは医師ではなく、飼い主だということです。問題行動の要因は生活の中にあるからです。それが変わらないと解決できないのです。
行動治療の場合は病院で預かって治療を行うということはなく、あくまでも、飼い主が日常の暮らしの中で治療プランを実行することが求められます。
100%完治が目標ではない
病気の場合は、完治を目指して治療しますが、行動治療の場合には、必ずしも100%完治させるのが目標とは限りません。
犬の年齢や健康状態によって、飼い主も治療してあげることに限界があるためです。飼い主が許容できるレベルまでに治って、犬も快適に暮らせるところまでをゴールと考えることも多いのです。
飼い主が治療の意味を理解
行動治療は飼い主が治療の意味を十分理解してないとうまくはいきません。たとえば、食べ物を守って攻撃する犬の治療のひとつに、「手からフードを与える」というのがありますが、これは、「人の手は食べ物をくれるもの」と学ばせる方法があります。
しかし、飼い主が忙しいと、あせって事を進めてしまうと、犬に人の手からは食べ物をくれるもの」という意思が伝わらず、期待する効果が得られないのです。
飼い主が治療の意味を十分、理解したうえで望むことが必要なのです。
家族全員が犬への対応を統一
家の中で、一人だけ行動治療のための行動を変えても、他の家族が以前と変わらない態度であれば、犬は混乱してしまいます。
家族間で犬の対応の統一をはかることも大切なのです。できれば、行動治療のカウンセリングは家族全員が参加するほうが望ましいのです。
行動治療は数ヶ月に及ぶこともあり、犬の噛み癖の根本治療をやり遂げるには、飼い主の強い意志と根気、家族の協力が必要です。
関連ページ
- 噛み癖治療の投薬する場合
- 咬みグセを治療する行動治療では薬も処方される場合があります。その薬は、咬みグセを根本的に治療するものではなく、脳内物質のバランスを変えて、不安を抑える目的で使うものです。
- 犬歯を削る場合
- 犬の咬みグセを根本から回避する方法として、「犬歯」を削るという方法もあります。犬歯を削ると、ざっくり咬まれる恐れはなくなりますが、犬にとっては身体のリスクが高まります。
- 犬の咬みグセの相談場所
- 愛犬の咬みグセが手におえないと感じたら、迷わず、専門家に相談しましょう。咬みグセの相談する先は、「行動治療を行っている獣医師」、「犬のしつけ教室」、「ドックトレーナー」など、いろいろあります。